日本移民史料館の最新化と便利さを追求

mhijb logo去る12月2日、文化奨励法(ルアネー法*)の適用が認可され、来館者がさらに利用しやすいようにブラジル日本移民史料館の展示スペースを最新のものとするリフォーム計画がブラジル文化省により承認されました。

ブラジルにおける日本人移民記録に関する最重要機関として認められているブラジル日本移民史料館は、車椅子利用者の通行を容易にするためにエレベーターを設置することや、展示コースに新しい技術を採用することを主体とした、総工費404.820,41レアルの企画を承認されました。

企画に基づいて、設備などを運ぶ業者や、年配の方のような移動に困難のある人たちの通行を可能にするためにビル8階と9階の間にエレベーターが設置されます。

また視界をよくするため展示エリアの照明が取り替えられ、壁の説明文や文章に点字が設置され、ポルトガル語・英語・日本語の3ヶ国語で音声案内システムが導入されます。企画はさらに、長い展示コース中にひと休みできるようにソファの設置や、双方向マルチメディアスタンドの設置、点字を添付した展示ルートのカタログ出版も視野に入れています。

史料館最新化と便利化のための総額徴収は12月31日(2013年)までに行なわれる予定でしたが、12月2日から20日足らずですでに全額に近い額が集められました。住友三井銀行が18万レアル、ヤクルトが10万レアル、さくら醤油が6万レアルの貢献をしてくれたのです。

日本移民史料館は、移民70周年祭の記念事業として1978年6月18日にオープンしました。当時の皇太子・明仁親王殿下(今上天皇)と美智子妃殿下(皇后様)、エルネスト・ガイゼルブラジル大統領(故人)によって開館されました。2015年の文協創立60周年に向けての文化空間プロジェクトの一つとして、移民史料館リニューアルを実現させたいと考えています。

史料館の建設は、日本人移民の苦労と成功を日系社会のみならずブラジル社会においても伝え、一人でも多くの人々に知っていただき、その貴重な歴史を保存することを目的とした、ブラジル日本文化福祉協会による事業でした。今後も同じ目的と思いで、文協は移民史料館の維持に努めてまいります。現在、展示エリアは1250m²の総面積を有し、さらに329m²の移民史料館収蔵庫・事務室があります。どうぞみなさん、ブラジル日本移民史料館をご利用ください。

*ルアネー法=企業が文化事業に所得税の一部を充てることが出来る寄付免税制度

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