文協バーチャル美術館へようこそ!

当会では1995年に「日伯修好通商航海条約100周年」を記念し、主に20世紀に活躍した日系人画家の作品を展示する「ブラジル日系美術館」の運営を開始しました。
そこに、当美術館が所有する約150作品中3分の1を展示していましたが、現在はリニューアルの途中であるため、作品は全て保管しています。
(毎年開催される「文協総合美術展」時には全作品を展示)

この度、JICAの支援を受け、それらの作品をバーチャル上で展示する「文協バーチャル美術館」を一足早くオープン致しました。

美術館のバーチャル化

このバーチャル美術館構想の実現化に向けての動きは、昨年末にサンパウロ州政府が実施したアルジル・ブランク法令によって、同州内の博物館および美術館23施設のうち、当会が運営する「ブラジル日本移民史料館」が、歴史があること(1978年(昭和53年)にオープン)と展示内容および活動内容が評価され4位に入選したことにより本格化しました。

そこで獲得した賞金で、コロナ禍でも史料館を訪ねてもらえるようにと、3D機能、360度の方向、選択した部分のズームイン機能を備えた、より高度な技術を駆使したバーチャル方式での史料館を2021年4月26日からオープンしたところ、約1ヵ月足らずで、3年間分を合わせた来館者数に等しい約1万回のアクセスがあったのです。
バーチャルブラジル日本移民史料館はコチラ〉〉〉
その上「バーチャル史料館を見たら、本物を見たくなりました」と実際に来館する人々が増加。
この想像以上の素晴らしい結果を受け、以前より計画段階にあったブラジル日系美術館も同じように一日も早くバーチャル上にてオープンさせたいと考えるようになりました。
コロナ禍で外出自粛となったことにより、人々のインターネットの利用時間と、趣味に費やす時間が格段に増えた現在、日系人芸術家の作品を多くの人々に知ってもらう絶好のチャンスと捉えることはもちろん、芸術鑑賞を通して、コロナによって人々が抱える不安や恐れを少しでも払拭し、希望を与える役割を果たしたいと考え、この度JICAの助成事業により、ようやく実現しました。

聖美会から文協美術委員会へ - ブラジルにおける日系美術の歴史

まず、ブラジルにおける日系美術家の誕生の歴史を語る上で欠かせないのが1933年(昭和8年)にできた日系画家の最初の集団「サンパウロ美術研究会(通称:聖美会)」です。
このメンバーだった高岡由也の自画像が日本人として初めてリオの国展で銀賞に入選したことは日系社会にとって大変画期的なことでした。

文協は、その聖美会が主催する「コロニア美術展」において1959年(昭和34年)に開催された第5回目の美術展からは後援を、1963年(昭和38年)からは共催し、1972年(昭和46年)になると聖美会が文協美術委員会と名称を変え、正式に文協の事業となり主催者となりました。
ちなみに、2007年からは同展に、それまでは別にあった「工芸展」、「造型美術展」などのグループも合同し、「文協総合美術展」とし、現在では美術、芸術の総合展となり、新人の芸術家とってこの美術展で入賞を果たすことが、この世界への登竜門となるとして広く名が知られるまでになっています。

なお、現在のブラジルの美術界は、日系の美術家を除外しては語ることが出来ないと言われるほどになっています。
聖美会世代の者たちが身につけて来た日本の美意識に基く色彩感、表現形式といったようなものは、ブラジル美術界にも新鮮な影響をもたらしていると称されているからです。
魂の記憶とでも言うべきか、たとえブラジル生まれの日系子孫の画家が描く作品であっても、不思議とこの日本人独特の色彩感覚や表現方法が作品の随所に現れると言われています。

こういったブラジル日系美術家たちの作品をバーチャル美術館において、黒いスペースには聖美会のメンバーらの作品21作品を、白いスーペースには文協総合美術展における入賞作品51作品を、銀色のスペースには文協美術館が所有している18作品を展示しています。

ぜひ、これらの作品鑑賞のため、文協バーチャル美術館へお越しください!
多くの皆様のご来館をお待ちしています!

文協バーチャル美術館はコチラ〉〉

ニュース

報告:130周年記念コンサート

Foto:Gabriel Inamine 去る11月28日に、サンパウロ市立劇場にて開催された「日伯修好通商航海条約締結130周年」を祝うクラシックコンサートには、約1,500名が来場し、忘れられない夜となりました。 舞台には、指揮者のチアゴ・タヴァレス氏、サンパウロ市立青年交響楽団員とともに、ソリストとして尺八奏者のシェン・ヒベイロ氏と箏奏者の西陽子氏が登壇し、美しい音楽を奏でました。 「友好」をテーマに掲げたこのコンサートはブラジルと日本を結ぶ完璧な音楽的つながりを築き、会場全体を感動させる楽曲を来場者に届けました。

続き

文協水曜シネマ&フリマ-12月・1月の開催休止のお知らせ

いつも「水曜文協シネマ&フリマ」を楽しみにしてくださり、ありがとうございます。 12月および1月の開催は、年末年始の都合により休止いたします。次回の開催日は、決まり次第あらためてお知らせいたします。 皆さまにはご不便をおかけいたしますが、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

続き

報告:2025日本における文協の活動1🔴第65回海外日系人大会出席

去る9月、文協の石川レナト名誉会長を団長とする文協代表団が、日本で精力的な日程をこなしました。 「日本との関係強化」をテーマに、本年で4年連続となる訪日を果たした石川レナト名誉会長および石田オルガ夫人は、文協の平野オストン第二副会長、照屋ウーゴ予算企画担当理事、統合フォーラム委員会伊藤ダグラス・ミツユキ委員長、そしてスギモト・アケミ氏を伴い、現在は日本在住の元在マナウス日本国総領事で、文協顧問の関口ひとみ氏とともに日程をこなしました。 代表団の主な任務は、日本の関係当局との一連の会合に加え、9月17日から19日に東京で開催された「第65回海外日系人大会」への参加と、名古屋での「第2回 Conexão Bunkyo

続き