JRO表敬訪問

jro-foto9月17日、日本食を世界の人々に知ってほしいとの思いから設立された日本食レストラン海外普及推進機構(JRO)加藤一隆専務理事、青井倫一理事、農林水産省食糧産業企画調整班の住吉慶子調整係長、一般社団法人日本フードサービス協会業務部の下口修一氏が文協を表敬訪問されました。

主に伯国の日本食について談話が行われました。木多会長は「サンパウロには、日本食のレストランが多く存在するが、専門店が少ない」と意見を述べました。それに対して、JRO理事の青井氏は「ブラジルは農産物が豊富であり、ほとんどの材料が入手可能である」ことに言及し、また「今後は料理の技術や知識、そしてその背景にある日本文化を日本食発展のために提供をしていきたい」との見解を示されました。

また木多会長「当協会には和食普及委員会があり、また日本食を普及する場として来年オープン予定である文化空間を用いて、「日本食の普及に影響を与えられるような活動を一緒にできれば」と述べていました。

19日にはJRO主催の日本食シンポジウムがサンパウロ市のブルーツリー・プレミアム・ファリアリマにて開催され、飲食業界の関係者など150名が出席しました。今回のシンポジウムは日本食における理解向上のための講演や「日本食の広がりについて」「日本食の勢いを維持・発展させるには」などをテーマに討論会が行われました。

講演会は、寿司の歴史・日本産水産物をテーマに開催されました。世界でもっとも人気がある日本食は寿司と刺身であることを農水省水産庁漁政課長・新井ゆたか氏は語られました。日本本来の味や地域文化、食材などの要素が加わって生まれた味が幅広く存在していること、そして手軽に食べられることが要因として挙げられました。

一方、当地の寿司ネタが主にマグロやサーモンが中心で、多様性にかけることを指摘され、寿司の幅が広がるためにも現地で入手困難な魚種を輸入することで、寿司文化の発展に繋がると言及されました。

JRO加藤一隆専務理事は、「日本食がもたらされて100年以上も経っているが、産業として成立していないことに加え、日本食に携わる人材の基盤が崩れている」という印象を述べられていました。その次に「衛生管理、職人の養成ルールを作る、基本的な教育ができるように手を打つ必要がある」と語られ、この事業を成功にに導くために、関連企業も一緒に参入することが必要不可欠との見解を示されていました。

JRO青井倫一理事がコーディネーターを勤められた討論会「日本食の広がり」のテーマでは、「健康的」「高品質」「新鮮」と日本食の好イメージの意見が参加者から挙げられました。伯国の社会問題となっている肥満に対して日本食が広く受けいられていること、また焼きそばなどの料理が庶民の味として親しまれているとの意見がありました。

「日本食の発展余地が残るブラジルでは、今後一般的に多数存在する総合的な飲食店から、1種類の料理に特化した専門店が増加し、その反映により料理の質が高まること期待したい」と青井理事は述べられました。しかし、輸出入の手続きや物流困難などが制度の中で障害になると厳しい意見も挙げられました。

続いて「日本食の勢いを維持・発展をさせるには」のテーマでは「新鮮なものを効果的に食べさせる生活を子供に教育するべき」という討論に対し、「正しい情報提供が必要であること、日本食の基本に戻ることがヒントになるのでは」という意見がありました。

討論の中でもっとも重要となった人材育成についてでした。人材の知識や経験不足が日本食のパフォーマンスに露呈している中、会場では「正しいものを見せることが大事」「手本となる例を見せ、継承していかなければならない」「各店に関する情報を評価の形で広げていくこと」などの対策案が述べられましたが、一人前の寿司職人を育成するのに10年を要することに加え、その資金や教育制度が整っていないなどの課題が多く立ちはだかっています。

最後に青井氏は「料理人への投資は必須であり、人材の育成には時間を要するが、日本食の成長にはそれが最善の方法」であるとまとめ、今後は料理人の派遣や日本料理コースの設置にサポートを行っていくことを示唆しました。討論会後は食品メーカーや料理人によるメニュー提案会が開かれました。

ニュース

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母の日イベント「YOKOSO!」~伝統の着物と和食の味わい~5月24日(土)

母の日イベント「YOKOSO!」伝統の着物と和食の味わい 文協の和食普及委員会と工芸委員会が 母の日を祝うイベント「YOKOSO!伝統の着物と和食の味わい」を開催します。 「昨年と同様に、母の日を祝うために力を合わせました。」と、同イベント実行委員会の委員長でもある、文協和食普及委員会の上辻照子委員長はそう話し、「今回は、日伯友好130周年と文協創立70周年を記念する特別プログラムを企画しました。」と付け加えました。 そして「委員会の友人たちがタンスにしまっていた着物を取り出し、この特別な日にその着物を着て、ファッションショーをすることになっています。」と話し、「ウェルカム・レセプションとしてはコーヒータイム、そして心を込めて作ったお弁当もお楽しみいただける、特別なイベントになること間違いなしです。」と話しました。

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🪭第58回コロニア芸能祭🪭 日 時:2025年6月28日(土),29日(日)10時~場 所:文協大講堂入場料:無料    ただし1㎏の保存可能な品物(砂糖,コーヒー,米、洗剤など)の寄付をお願いしています。    ご寄付頂いた品物は日系福祉団体へ寄贈いたします。 コロニア芸能祭とは ブラジル日系社会では、第一回目のブラジル日本移民を乗せた笠戸丸がサントス港に到着した 6

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移民史料館特別展:ブラジル日系社会忍耐力のルーツ―第2次世界大戦期におけるブラジルの日本移民 日 時:2025年4月26日~6月30日 ※毎週月曜日は休館    10時~17時 (最終入場は16時)場 所:ブラジル日本移民史料館(文協ビル7,8,9)    Rua São Joaquim, 381,

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第166回定期評議員会 「なんて素晴らしいことでしょう、会場は満員です!」この言葉は、第166回定期評議員会の準備に奔走する主催者の要望に応える中で、ある事務局メンバーが発した感嘆の一言でした。 2025年4月26日(土)の午前、会場となった文協貴賓室には、50名の評議員(うち8名は委任状による出席)をはじめ、前夜に行われた理事会に出席した地方理事、選挙管理委員会のメンバー、そして現役理事ら約40名が集い、総勢およそ100名で満席となりました。 今回の会合では、2024年度の活動報告および財務報告の承認に加え、団体の運営機関である評議員会会長、理事会会長、監査役会の選出が主要議題として行われました。 なかでも印象的だったのは、石川レナト会長の退任による一抹の寂しさが漂う中、後任として西尾ロベルト義弘氏が満場一致で新会長に選出されたことでした。

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