文協ビル貴賓室にて、10月5日、イビラプエラ公園内の「開拓先没者慰霊碑」に関する管理権はブラジル日本都道府県人会連合会(県連)である旨が明確に記載された公式文書の伝達式がありました。
この伝達式には、サンパウロ市側からは、ブルーノ・コーヴァス市長を始め、同市文化課のアンドレ・ストゥルム課長や国際関係課のアフォンソ・マッソーチ課長が出席しました。
日系側からは、県連の山田康夫会長始め、文協の呉屋春美会長、楠彰在聖日本国総領事館首席領事、野村アウレリオ市議、ブラジル日本移民110周年記念祭典委員会の菊地義治実行委員長、日伯文化連盟の山田タカオ財務担当理事、サンパウロ日伯援護協会の洲崎順副会長、および21の在伯県人会(宮城、秋田、栃木、東京、新潟、石川、福井、山梨、静岡、愛知、三重、和歌山、島根、山口、愛媛、高知、福岡、佐賀、長崎、大分、熊本)代表者、合計約120名が参加しました。
「開拓先没慰霊碑」は、1975年に日本移民の先人を弔うために故・羽藤マリオ市議の提案で、サンパウロ市が運営するイビラプエラ公園内の無償永久貸与を受けた土地に建立されました。それ以来、毎年6月18日の「移民の日」には県連主催の追悼法要が執り行われているほか、日本から来伯した要人が必ずと言っていいほど訪問し参拝する重要な場所となっています。そんな中、今年始めに、ジョアン・ドリア前市長がイビラプエラ公園を含む市内6つの公園の民営化を発表したのです。
この慰霊碑は、建立されてから現在まで、県連が維持費を負担し管理していたにもかかわらず、管理者が県連であることを示す正式な文書がなかったため、イビラプエラ公園が民間会社の手に移った際、場合によっては同碑は収益が上がらないものとして取り壊される可能性もあり得るという懸念が生じました。
そこで、県連は同碑を守るため、管理権を明確にした正式な文書が必要と考え、日系議員の野村アウレリオ市議にサンパウロ市との仲介役を依頼しました。そして同議員の尽力のお陰で3年間という期限付き(その後は随時更新が必要)ではありますが、サンパウロ市より同碑管理の公式文書を得ることができました。
「日系社会に友情と尊敬の気持ちをもっています」と壇上で挨拶したコーバス市長と、尽力のあった野村市議に対して、県連、文協、および110周年記念祭典委員会からは感謝状が贈られました。