追悼:秀島 マルセロ 氏

文協の第二副会長の秀島マルセロ氏が、2023年2月1日の夜、共同経営するAlfa Alimentosの仕事から帰宅後、心臓発作により、自宅でお亡くなりになられました。53歳でした。
妻と娘さんとの3人家族でした。

通夜は2月2日の14時~22時と3日の午前6時~午前8時、文協文化ホールにて行われました。
(R. São Joaquim, 381 – Liberdade – São Paulo 文協ビル地下1階)

葬儀は2月3日午前11時より、Jardim Horto Florestal墓地にて行われました。
(Rua Luiz Nunes, 111 – Parque Ramos Freitas – SP)

秀島マルセロ氏

移民一世とは違い、日系社会に対して関心が薄くなりがちなブラジル生まれの日系人青年らを、上手くまとめていたのが青年時代の秀島氏でした。
その人望と手腕を必要とした文協は秀島氏を招き入れ、早速秀島氏は、1997年の文協青年部の発足に際して、主導的役割を果たしました。
その活動を軌道に乗せた後の2005年、今度は35歳という若さで文協の副会長に抜擢され、活動の幅を広げました。

以下、2006年11月25日に、文協貴賓室で行われた「文協創立50周年記念座談会」の冒頭に行われた参加者の自己紹介から抜粋します。

秀島マルセロ、36歳で既婚です。
私の文化団体での活動は、 ツクルヴィ協会の日本語学校へ入った9歳の時から始まります。
16歳でこの協会の青年会長になり、 イベントや各種競技の組織づくりを活発に行ない、 同協会の会長になりました。
そして当時15団体を擁していたサンパウロ北部連盟に参加しました。
統合こそ日系人の交流を促進し、 強化する手段だと考えるので、これは極めて重要な経験でした。
ただ北部地区だけだったため他地区の団体は知りませんでした。
そこで友人のグループとサンパウロ慈善インテルカイカンを設立しました。
1994年にはサンパウロ各地にある11団体を集め、それが大きな交流の方法であると考え、1995年には16団体、スポーツ、文化、慈善など様々な部門の青年 1,200名をまとめました。
1996年のイベント開催において、寄付のための食料品を19トン集めたときは最高の喜びでした。
その後、林アンドレさんがいた文協の日系団体再活性化委員会に呼ばれ、議論したときに、将来の再活性化について、この委員会が所属している文協自体に青年がいないことを大いに話し合いました。
そのため当時の山内会長は青年文協、現在の文協青年委員会を創立するため、 あらゆる支援をして下さいました。
1997年のことで、当時の青年文協は青年団体リーダーたちの集りで、アイデアを交換する場でもありました。
この交流は極めて健全であると考えたので1999年に役員になったとき、 ABEUNI、ASEBEX、 青年会議所、 文協青年委員会と慈善インテルカイカンの5団体の会長で、これらの団体を統一し、 それぞれのメンバーの育成を一層強化し、 共同活動を通じて日系社会および社会一般のために何かを促進するグループを結成するアイデアが生まれました。
このアイデアの推進者であった林アンドレさんは、文協の政策を議論するため、 ABEUNI、 ASEBEX、青年会議所と青年文協を召集し、 私も再活性化委員会のメンバーとして参加しました。
こうして結成したG5の統合は極めて重要であったと思います。
2000年には5団体の会長が集って連合会を作り、 現在まで続いています。
この間、 私は希望の家※に呼ばれ、 その第1副会長ををしており、 文協、 交流協会にも参加しております。 
※重度知的障害者が入居する福祉施設「希望の家福祉協会」         
(2007年4月発行 ブラジル日本文化福祉協会創立50周年記念「文協50年史」より抜粋)


このような秀島氏を、誰もが、近い将来、ブラジル日系社会全体を牽引する指導者になるだろうと信じて疑いませんでした。

その秀島氏の、突然で、そして早すぎる逝去の報は、日系社会全体にどれ程の衝撃と悲しみを与えたかは、言うまでもありません。

急遽開催した文協文化ホールでの通夜には、次から次へと届けられた77基の花輪で会場が埋め尽くされました。
そして弔問客も途絶えることがなく、約1000人※が来館し、秀島氏との最後の別れのひと時を持ちました。
※受付で記帳した方々は約600名ですが、記帳のために大勢の人々が並んでいたため、記帳をせずに帰られた方も沢山いらっしゃいました。また家族で来られた方は殆どが代表者1名のみの記帳でしたので、弔問客はゆうに1000人は超えていると推測します。

秀島マルセロ氏のダニエラ夫人および、一人娘のキャロルさんより文協に届いたメッセージ

2023年1月30日、結婚20周年を祝した家族での食事会にて(イタリアンレストラン「Terraço Itália」/ 写真提供: ダニエラ夫人)

文協の皆様へ

昨夜は心身ともに大変疲れていたため、このメッセージを送るのが遅れたことをお許しください。

非常に辛く深い悲しみの中で戸惑う私たち家族および親族に代わって、文協の皆様が、秀島マルセロの通夜を執り行い、その細部にまで気を配っていただきましたこと、大変感謝しております。

このような心のこもった通夜を、感謝と幸福、そして誇りに満たされながら、主人は全てを見届けていたと確信しております。

感謝してもしきれません。

皆様からの愛情が私たちを強くし、心の支えとなっています!!!!

ありがとうございました。
ありがとうございました。
ありがとうございました。

皆様に神の祝福がありますように。
                       妻 秀島 ダニエラ


親愛なる父の友人の皆様へ

まずは、この数日間、皆様から頂いた数え切れないほどの愛情や助けに、感謝の意を表します。

父を偲んで集まって下さった皆様を見て、父はきっと嬉しかったと思います。

また、このつらい時期に、私と母を気遣ってくださったこと、私たちにとってどれ程ありがたかったかは、言葉では言い表せません。

父は、私たちが望むよりも早く、この地上での使命を果たしました。
しかしそれはかえって、いかに父が勤勉で献身的な集約した人生であったかを示したのではないかと思います。

父の通夜に飾られた数えきれない花輪と、父のために集まって下さった多くの方々を見て、父がどれ程偉大な人であったかを知り、娘として感激し、ますます父を誇りに思うようになりました。 

皆様、ほんとうにありがとうございました。
娘 秀島 キャロル                                   


報告:第25回 日系スポーツ親善競技大(CONFRA)で秀島氏に黙祷を捧げる選手たち

中南米の日系選手が集まって親睦を深めるスポーツ大会「日系スポーツ親善競技大会(CONFRA-Confraternidade Esportiva Internacional Nikkei)」の第25回目を迎えた本年は、アルゼンチンのブエノスアイレスで 2 月 2 日から 5 日に開催され、12 か国のチームが 13 のスポーツで競いました。
その大会に参加していた、文協スポーツ委員会の田中ロベルト委員長は、大会関係者に呼び掛け、試合の前に選手たちと秀島氏に黙とうを捧げたという報告がありました。

貴重映像  秀島マルセロ氏へのインタビュー動画(2020年)

秀島マルセロ氏が自身のこれまでの歩みを語り、また親しい友人たちによる彼への証言の数々をまとめたインタビューが収められた貴重な動画を見つけました。

この動画は、2020年にアカデミア・ド・フトゥーロ・ド・ニッポンカントリークラブによって撮影されました。

秀島氏の寛容さと謙虚さが大変よく表れてた動画となっています。

秀島マルセロ氏のご冥福を心よりお祈りいたします。

ニュース

母の日イベント「YOKOSO!」~伝統の着物と和食の味わい~5月24日(土)

母の日イベント「YOKOSO!」伝統の着物と和食の味わい 文協の和食普及委員会と工芸委員会が 母の日を祝うイベント「YOKOSO!伝統の着物と和食の味わい」を開催します。 「昨年と同様に、母の日を祝うために力を合わせました。」と、同イベント実行委員会の委員長でもある、文協和食普及委員会の上辻照子委員長はそう話し、「今回は、日伯友好130周年と文協創立70周年を記念する特別プログラムを企画しました。」と付け加えました。 そして「委員会の友人たちがタンスにしまっていた着物を取り出し、この特別な日にその着物を着て、ファッションショーをすることになっています。」と話し、「ウェルカム・レセプションとしてはコーヒータイム、そして心を込めて作ったお弁当もお楽しみいただける、特別なイベントになること間違いなしです。」と話しました。

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SAVE THE DATE!第58回コロニア芸能祭🪭6月28,29日

🪭第58回コロニア芸能祭🪭 日 時:2025年6月28日(土),29日(日)10時~場 所:文協大講堂入場料:無料    ただし1㎏の保存可能な品物(砂糖,コーヒー,米、洗剤など)の寄付をお願いしています。    ご寄付頂いた品物は日系福祉団体へ寄贈いたします。 コロニア芸能祭とは ブラジル日系社会では、第一回目のブラジル日本移民を乗せた笠戸丸がサントス港に到着した 6

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移民史料館特別展:ブラジル日系社会忍耐力のルーツ―第2次世界大戦期におけるブラジルの日本移民―6月30日まで

移民史料館特別展:ブラジル日系社会忍耐力のルーツ―第2次世界大戦期におけるブラジルの日本移民 日 時:2025年4月26日~6月30日 ※毎週月曜日は休館    10時~17時 (最終入場は16時)場 所:ブラジル日本移民史料館(文協ビル7,8,9)    Rua São Joaquim, 381,

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第14代文協会長に西尾ロベルト義弘氏が就任

第166回定期評議員会 「なんて素晴らしいことでしょう、会場は満員です!」この言葉は、第166回定期評議員会の準備に奔走する主催者の要望に応える中で、ある事務局メンバーが発した感嘆の一言でした。 2025年4月26日(土)の午前、会場となった文協貴賓室には、50名の評議員(うち8名は委任状による出席)をはじめ、前夜に行われた理事会に出席した地方理事、選挙管理委員会のメンバー、そして現役理事ら約40名が集い、総勢およそ100名で満席となりました。 今回の会合では、2024年度の活動報告および財務報告の承認に加え、団体の運営機関である評議員会会長、理事会会長、監査役会の選出が主要議題として行われました。 なかでも印象的だったのは、石川レナト会長の退任による一抹の寂しさが漂う中、後任として西尾ロベルト義弘氏が満場一致で新会長に選出されたことでした。

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第16回文協全伯俳句大会 兼題投句受付中(〆切-5月30日)

文協文芸委員会主催の第16回文協全伯俳句大会が8月17日午前9時から開催されるにあたり、現在、兼題(事前投句)を募集しています。 みなさまの投句をお待ちしております! 兼題(事前投句) 〆切は5月30日(金) 兼題:秋季・冬季一切 「道」(路、径でも可)・一人五句まで(未発表作品に限る)・投句は無料・楷書(漢字にはふりがなを付けること) 投句〆切:2025年5月30日(金) 必着のこと宛先:・メールの場合 cal@bunkyo.org.br・WhatsAppの場合 +55-11-97522-6101・郵送の場合 Bunkyo

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第55回文協工芸展 参加登録受付中!6月18まで

ブラジル日本友好条約締結130周年および文協創立70周年を記念する本年、文協工芸委員会は、「第55回文協工芸展」の開催に向けて準備を進めています。 なお同展は、2025年10月4日から19日まで、文協文化スペースにて開催される予定です。 参加を希望される方は、参加方法、選考基準、スケジュールなどの詳細が記載された募集要項を以下のリンクからご確認ください。 出展の申込は、4月15日から6月8日まで、以下のオンラインの申込フォームを通じて行われます 。

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