報告:移民史料館監修「歴史を紡ぐ-着物に想いを馳せて」出版記念イベント

去る2月5日の夜、書籍『Tecendo Histórias: O Imaginário dos Quimonos(歴史を紡ぐ―着物に想いを馳せて)』の出版記念イベントが開催されました。これは、ブラジル日本移民史料館の収蔵品の着物の価値を改めて世に広める、またとない機会となりました。

本書は、日伯修好通商航海条約締結130周年およびブラジル日本文化福祉協会創立70周年を記念して企画された、同名の着物の展示会に基づいたものです。この展示会はブラジル日本移民史料館(2025年10月23日~2026年2月8日)と、日本館(2025年10月23日~11月12日)で開催されました。

本の中の着物、日常の中の着物

約100名の参列者を迎えて盛大に開催された出版記念式典には、在サンパウロ日本国総領事館の鈴木誉里子総領事が特別ゲストとして華を添えました。鈴木総領事と文協の西尾ロベルト義弘会長は祝辞の中で、日伯外交関係樹立130周年および文協創立70周年の記念事業における本催事の重要性について改めて言及しました。

続いて、同書を監修したブラジル日本移民史料館運営委員会の山下リジア玲子委員長とナカシマ・エミコ氏が登壇しました。両氏は、今回の展示企画および書籍の出版が、収蔵品の保存と価値を再認識する上で極めて重要な取り組みであることを強調しました。ナカシマ氏は本書の紹介の中で、史料館建設キャンペーン当時を振り返り、「ブラジル各地の移民の方々から、大切に保管されていた数多くの着物をはじめ、非常に価値のある史料が寄せられた」と語りました。

左から:山下リジア玲子委員長、写真家のエリオ・ノブレ氏、
ナカシマ・エミコ氏

左から:山下リジア玲子委員長、在聖鈴木誉里子総領事、
西尾ロベルト義弘文協会長

展示会のプロデューサーの一人であるモリシタ・レイカ氏からは、今回の着物プロジェクトについての報告が行われ、あわせて写真家のエリオ・ノブレ氏、編集者のロジェ・フィネッチ氏、ヘレナ・シン氏が紹介されました。

式典ではさらに、佐々木ロザナ氏が「時代を巡る着物:歴史、芸術、そして現代における活用」と題したプレゼンテーションを行い、注目を集めました。締めくくりには、ナカザト・カルロス氏、タカヒラ・カズエ氏、松永クラリッセ氏、林田サンドラ氏の協力のもと、着付けの実演を実施。なお着付けの技術指導はマツオ・マルシア氏が担当しました。

佐々木ロザナ氏による「時代を巡る着物:歴史、芸術、そして現代における活用」と題したプレゼンテーション

松永クラリッセ氏が舞を披露

佐々木ロザナ氏(右)が既婚女性の正礼装である留袖について
説明。モデルはタカヒラ・カズエ氏

着物、それは単なる「衣服」という枠を超えて

本誌は、展示会と同名の『歴史を紡ぐ-着物に想いを馳せて(Tecendo Histórias: O imaginário dos Quimonos)』と題され、山下リジア玲子氏とナカシマ・エミコ氏が監修、写真家エリオ・ノブレ氏による美しい着物の写真を収録した全240ページにわたる豪華仕様の一冊です。本書は、ブラジル日本移民史料館が保存・記録してきた着物コレクションの様々な側面に焦点を当てています。

展示会ではコレクションの中から25点のみが厳選されましたが、本出版物では約400点にのぼる収蔵品の画像と情報を体系的にまとめています。

関連記事:【移民史料館特別展】 歴史を紡ぐ―着物に想いを馳せてー 2月8日(日)まで

左から(敬称略):マツオ・マルシア、末永クラリッセ、佐々木ロザナ、林田サンドラ、鈴木誉里子在聖総領事、ナカサト・カルロス、タカヒラ・カズエ、山下リジア玲子

   モリシタレイカ氏

各章の冒頭には解説文が添えられており、読者はその時代背景や文脈に触れながら、一着一着、見事に記録された着物の美しさを堪能することができます。同書の監修にも携わったブラジル日本移民史料館の山下リジア運営委員長は、「着物は単なる衣服ではありません。それは日本文化の記憶、アイデンティティ、そして受け継がれてきた遺産そのものなのです。」と記しています。

また、史料館の母体である文協の西尾ロベルト義弘会長は、出版されたばかりの本書の魅力を次のように強調しました。「巨匠エリオ・ノブレ氏のレンズは、着物の価値を余すところなく捉え、図録のページへと見事に写し出しました。そこには、長い年月を経て刻まれたわずかな傷みさえもが、着物の歩んできた歴史として尊く表現されています。」

左から(敬称略):ロジェリオ・レイチ、ヘレナ・シン、
エリオ・ノブレ

乾杯する出席者

左から:ハラカワ・キヨコ、アラカキ・デニーズ・マヤ。
背景の着物は、ハラカワ・キヨコ氏が寄贈したもので、祖父に当たるイモト・イチウエモン氏が所有していた、四国八十八ヶ所霊場の御札が押された巡礼用の着物。

西尾会長と林田サンドラ文協広報委員会委員長

“Tecendo Histórias: O imaginário dos Quimonos” 歴史を紡ぐ-着物に想いを馳せて はブラジル日本移民史料館にて1冊220レアル販売しています。


ブラジル日本移民史料館

【住所】 Rua São Joaquim, 381 , Liberdade ,São Paulo , SP (文協ビル7・8・9階)
【運営日時】 火~日 10~17h  ※ 最終入館時間:16h (月曜日休館) 
【入館料】
・大人 :25レアル
・学生(学生証提示のこと):12レアル
・5〜11歳の子供:12レアル
・60歳以上:12レアル
※水曜日は入場無料
【案内付見学】・料金:150レアル   (要予約/1グループ40名まで/所要時間約60分/火~金)

お問い合わせ
Tel: (11) 98179-1185
E-mail: museu@bunkyo.org.br

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