日本ブラジル外交樹立120周年記念事業・日本館修復工事

日本とブラジルの友好関係を象徴するイブラプエラ公園の日本館の修復工事が外交樹立120記念事業として今年11月より開始予定です。今月17日には修復工事に使用する木材が日本から到着しました。

この日本館は1954年に行われたサンパウロ市制400年祭を記念して日本政府とブラジル日系社会からサンパウロ市に寄贈された建物ですが、築60年を超える日本館の管理・運営は1955年以降ブラジル日本文化福祉協会に委託され現在に至っています。

日本館建設プロジェクトは日本の著名な設計士堀口捨己氏によって実施されましたが、建築資材は全て日本から取り寄せられ、その建設は日本の建築士らによって伝統的な手法を用いて実施されました。

02イビラプエラ公園内の日本館は日本以外の国では珍しく、日本古来の建造物の特質が完全な状態で保存されているパビリオンです。同様に完全な状態で保存されているのはジョン・ロックフェラー氏をホストとするニューヨークの近代美術館(MOMA)での展示のために1954年に建築された松風荘で、1958年にペンシルバニア州フィラデルフィアのフェアマウント公園内に移築された後は、同公園が管理しています。

修復工事について

04中島工務店の中島紀于社長は1988年のブラジル日本移民80周年に初めて日本館の修復工事を実施されました。中島工務店は長年にわたり、家屋や橋、舞台、神殿その他の木造建築やその修復作業に携わってきました。中島工務店の本社はレジストロ市の姉妹都市である、岐阜県中津川市にあります。

当時、中島氏は自分の会社の従業員を同伴させ、清掃と日本館の現状診断のための機材一式を携えて来伯、建設以来初めての修復工事を行いました。その費用はすべて自分持ちで、ボランティアとして来伯し、工事を行うという姿勢はこの時以来、変わる事なく、繰り返されています。

03それから10年後の1998年に中島氏は日本館を再び訪問し、この時も自社従業員と共に築44年を経て種々の問題が現れてきていた建物の保全、特に屋根部分を修復するために、屋根全体を葺き直すのに足りるだけの瓦などを持参しました。

さらに15年後の2013年には日本館の修復工事調査のために訪伯、診断結果としては柱の摩耗(老朽化)やシロアリ被害が著しい部分が見つかり、一部の木造建築部分の取り替え、シロアリの駆除作業を行うとの判断をくだしました。中島氏の帰国後60日目には、材木の小片入りの郵便物が文協に届きました。同年の7月には修復作業を専門で行う従業員と共に来伯し、見本に送った種類の材木で摩耗した柱などを交換をしました。

日本館修復に使用されるスギとヒノキ

日本館の修復にあたり使用される材木は愛知県名古屋市の港からコンテナ詰めでサントス港まで運ばれ、38日後に到着しました。材木は3台のトラックによってイビラプエラ公園の日本館へと運送されました。現在、岐阜県産のスギとヒノキは日本館に保管されています。スギはシロアリの被害を受けている屋根の修復に、スギは柱部の修復に使用されます。今回の修復工事も中島氏のご好意により実現し、修復に使用される材木もすべて提供していただきました。

ニュース

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文協青年委員会 ハナオカ・ユカリ 新委員長 就任式

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新しく亜鉛メッキで塗装された展示館の屋根 2026年4月25日、晴れ渡った土曜日の朝の光に包まれた日本館はいっそうの輝きを放っていました。この日、約100名の招待客を集めて日本館の再開館式が行われました。 招待客の一人、イビラプエラ公園を管理するウルビア(Urbia)社の総支配人サミュエル・ロイド氏が、挨拶で述べたように、ここは「イビラプエラ公園の宝石」と称えられる場所です。 日本館は、2025年末から一時閉館とし、経年劣化が進んだ箇所(木材や植栽)の修復、展示館の屋根の葺き替え、そして新しい木製ベンチの設置など、各所の改修工事を行いました。 日本館運営委員会の奥原常嗣委員長は、今回の再開館の式典を執り行うにあたり、修復作業の実施を可能にしてくれた個人、団体、企業へ感謝を伝えることがこの式典開催の目的であると述べました。また、委員長として、イビラプエラ公園において、唯一のブラジル国外の空間と捉えるこの場所の保存と日系社会の団結を促進したいと語りました。

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