日本館

pavilhao jardim zenブラジルのサンパウロにあるイビラプエラ公園は1954年、サンパウロ市政400周年を記念して、建築家のオスカー・ニーマイヤーと造園家のプレレ・マルクスの設計で造られた公園で、サンパウロ市内の南部に位置します。日本庭園や近代美術館、スポーツフィールド、ジョギングコースなどがあり、週末には家族連れやスケートボード、サイクリングなどを楽しむ人でにぎわいます。園内では数多くの水鳥の群れを観察でき、美術館や施設で楽しむこともできます。約120ヘクタールの広大な敷地内に、大小の池や広大な芝生や様々な施設がちりばめられており、その為に屋外コンサートの会場としてもよく使用されます。1990年に総合体育館で大相撲ブラジル場所が開催されました。

pavilhao lago de carpas e jardim

この中には、同祭を記念して日系コロニアが寄贈した数寄屋造りの「日本館」があります。同館には50数点の美術品が展示されているほか、日本的な各種催物(生け花、茶道等)会場として利用されています。また、1980年5月からは、ブラジル錦鯉愛好会の協力で池に錦鯉が放たれ、人気を呼んでいます。なお「日本館」の前には、当国で他界した多くの日本人移住先駆者の霊を慰めるため本邦及びコロニア有志の寄附により建設された「開拓先没者慰霊碑」があり、揮毫は田中角栄元総理によります。公園近くには、サンパウロ州議会をはじめ、1932年のサンパウロ州による護憲革命記念の塔、奥地探検隊(バンデイランテス)の石像などがあります。

pavilhao chashitsu

日本館の設計は日本の建築学界の大御所、東京大学教授堀口捨巳博士によって行なわれ、木材や石材など必要な資材もすべて日本から取り寄せられました。京都市西京区桂にある歴史的建造物である桂離宮(離宮とは皇居とは別に設けた宮殿の意)をモデルとして建築されました。桂離宮は1620~1624年、徳川幕府時代に建築され、天皇の夏の別荘地として使用されていました。江戸時代初期の造営当初の庭園と建築物を遺しており、当時の(王朝)文化の粋を今に伝えています。回遊式の庭園は日本庭園の傑作とされています。

pavilhao exposicao

桂離宮と同様、日本館は平安時代の貴族や武士の住宅様式「書院造」となっています。寝殿造では十分でなかった間仕切りが書院造では大いに発達し、引き違いの建具によって分けられた畳を 敷き詰めた室(座敷)が連なり、その室の床には高低差が付けられ、一段高い主室を上段、ときには上々段と呼び、低い室を下段と呼び席による階級差を明瞭に 示します。主室には、書院、押し板、棚、納戸構(帳台構・武者隠し)が設けられ、それらの壁には淡彩や濃彩の障屏画が描かれ上段に座す高位者を荘厳 しました。

1954年のイビラプエラ公園における日本館の建設の際には、多くの日本移民が自発的に働き、建設のために大きな貢献を果たしました。サンパウロ市では、日本館のような純日本的な建築物の管理をしたことがなかったため、建物の管理と各種のイベントの企画、運営は寄贈されたその時からブラジル日本文化福祉協会(文協)に一任されています。また、うれしいことに1997年にはサンパウロ市の文化財に指定されました。そうです、日本館は日本・ブラジル両国間の友情の象徴となっているのです。

日本館は日本の伝統的な建築様式を踏襲して建てられており、同館を訪ねた人々は、異国情緒豊かな建物の他、日本庭園や錦鯉、日本の伝統工芸品などを堪能することができます。日本館、一見の価値ありです!どうぞみなさん足をお運びください。巨大都市サンパウロの喧騒に疲れたとき、日本が恋しくなったときは、この日本館でゆったりとした時間を過ごし、癒しのひと時をお楽しみください。

鯉の池

日本館と一体となっている鯉の池はとても美しい。320匹の鯉が気持ちよさそうに泳いでいます。

茶室

茶道の儀式が行なわれる茶室。一般的に、質素で静かなものを意味するわび・さび(侘・寂)は、日本の美意識の1つ。 みなさんも、この茶道の精神で気分を一新するのはいかがですか。

展示室

日本館の管理と保存を委任されているブラジル日本文化福祉協会(文協)は日本の伝統的な工芸品を集めた様々な展示を行なっています。ひな祭り、こどもの日、日本伝統音楽や舞踏などの発表会をも開催しています。日本文化を感じたい方、ブラジルで育った子供たちに日本の文化を教えたい親御さん、是非お立ち寄りください。

pavilhao lago carpas

日本館
場所: イビラプエラ公園 – 10番ゲート
Av. Pedro Álvares Cabral, s/nº – São Paulo – SP

営業: 水曜、土曜、日曜、祝日
時間: 10時から12時、13時から17時

お問い合わせ: (11) 5081-7296 ou pavilhao@bunkyo.org.br

大人料金:  R$ 10,00
60歳以上の方: R$ 5,00 (Lei 10.741/2003 – Estatuto do Idoso)
学生証をお持ちの方:  R$ 5,00
5歳から12歳のお子様:  R$ 5,00
4歳までのお子様: 入場無料

 

pavilhao logo
Apoio/Parceria

logo mam

pavilhao mapa parque
pavilhao mapa ruas
Mapa dos arredores do Parque do Ibirapuera

ニュース

報告:130周年記念コンサート

Foto:Gabriel Inamine 去る11月28日に、サンパウロ市立劇場にて開催された「日伯修好通商航海条約締結130周年」を祝うクラシックコンサートには、約1,500名が来場し、忘れられない夜となりました。 舞台には、指揮者のチアゴ・タヴァレス氏、サンパウロ市立青年交響楽団員とともに、ソリストとして尺八奏者のシェン・ヒベイロ氏と箏奏者の西陽子氏が登壇し、美しい音楽を奏でました。 「友好」をテーマに掲げたこのコンサートはブラジルと日本を結ぶ完璧な音楽的つながりを築き、会場全体を感動させる楽曲を来場者に届けました。

続き

文協水曜シネマ&フリマ-12月・1月の開催休止のお知らせ

いつも「水曜文協シネマ&フリマ」を楽しみにしてくださり、ありがとうございます。 12月および1月の開催は、年末年始の都合により休止いたします。次回の開催日は、決まり次第あらためてお知らせいたします。 皆さまにはご不便をおかけいたしますが、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

続き

報告:2025日本における文協の活動1🔴第65回海外日系人大会出席

去る9月、文協の石川レナト名誉会長を団長とする文協代表団が、日本で精力的な日程をこなしました。 「日本との関係強化」をテーマに、本年で4年連続となる訪日を果たした石川レナト名誉会長および石田オルガ夫人は、文協の平野オストン第二副会長、照屋ウーゴ予算企画担当理事、統合フォーラム委員会伊藤ダグラス・ミツユキ委員長、そしてスギモト・アケミ氏を伴い、現在は日本在住の元在マナウス日本国総領事で、文協顧問の関口ひとみ氏とともに日程をこなしました。 代表団の主な任務は、日本の関係当局との一連の会合に加え、9月17日から19日に東京で開催された「第65回海外日系人大会」への参加と、名古屋での「第2回 Conexão Bunkyo

続き