
文協青年委員会 新会長 就任式
去る4月2日(土)の午後、約110名の来場者が見守る中、文協青年委員会の新会長就任式が盛大に開催されました。
文協青年委員会の新会長には、玉那覇(たまなは)グラジエラ(26歳、日系三世)が、副会長には、ルーカス・バルボーザ・ベラージとララ・キミエ・モンテイロ・キンスイ、事務局長にはキクガワ・カロリーナ、広報およびマーケティン担当はイザベラ・チアン、会計担当はアーミン・オブカ・フィッシャー、人事担当はイザベラ・ファルサン・イングリード・ゴンザルベス、プロジェクト担当はダグラス・ミツユキ・イトウ、施設管理担当はチアゴ・マサノリ・ミヤモトがそれぞれ就任しました。
就任式の司会進行は、2004年度の文協青年会長を務め、現在はブラジル日本県人会連合会にてその手腕を発揮しているヤマウチ・エリカ氏が担当しました。
式典は、対面形式とデジタル放送のハイブリット形式で開催、まずは三味線学校「Sankyu」の青年らによる民謡と三味線の演奏で始まりました。

玉那覇 グラジエラ 新会長 挨拶

玉那覇グラジエラ新会長は、ブラジル日本移民100周年を迎えた2008年に、文協主催の白寿者表彰式に出席する叔母を祝うため家族と共に訪れたことが、文協の活動を知る最初のきっかけだったと話しました。
その後2014年に日本祭りにボランティアとして参加、そこで体験したことや見たことすべてに喜びを感じ、2016年に文協青年委員会に参加することを決意したと話しました。
今後については、ハイブリット形式でのイベント再開を軌道に乗せるまでまた更に時間を要すると思うが、みんなと共に乗り切れると確信していると力を込めました。
先輩達からのことば
宮坂国人財団 理事長 および 文協 副会長 西尾 ロベルト 義弘 氏

まず挨拶に立ったのは、宮坂国人財団の理事長であり、文協の副会長でもある西尾ロベルト義弘氏でした。
西尾氏はいつも優雅で上品な中にユーモアを織り交ぜながら、ストレートに感情に訴える話術で人々の心を掴むと定評があります。
その西尾氏は「今までに数えきれない程の就任式に参加してきました。その殆どが、単に紙に署名をする形式的な式典でしたが、それが普通だと信じて疑いませんでした。こんなにも丁寧で心のこもった就任式は初めてです。本日この式典に出席できたことを大変光栄に思います。」と話しました。
また「パンデミックに見舞われ難しい舵取りが課せられるなか、それを乗り越えて、今まで以上に会を発展させた功績は大きい。」と前会長のラファエル・ペッターセンの労をねぎらいました。
そして、「私たちはご覧の通り白髪が増えました。ボランティアとしてのキャリアの終わりにあります。そして若いみなさまにそのバトンを渡すことができることを大変うれしく思います。」と締めくくりました。
文協広報担当理事 パトリシア・タケハナ氏

文協の広報担当理事で、青年委員会を代表する立場でもあるパトリシア・タケハナ氏は、青年委員会の重要性を述べました。
「コミュニティを知りたいと思っている人々を歓迎することに加えて、私たちは常に彼らを私たちの文化に魅了させ続けなければなりません。」 と話しました。
そして「文協青年委員会には非常に良い人材がそろっており、誰もがこの会長職を引き受ける準備ができています。」と力を込めました。
在聖日本国総領事館 桑名 良輔 総領事

桑名良輔総領事は、「文協の若いメンバーらが日本の文化と日本の価値観を維持し、それを普及するために尽力してくていることに感謝します。」と述べました。
「そして、そんな若者が自由に活動できる環境を与え、それを見守るもう若くない方々にも心より感謝申し上げます。」とユーモアを交えて話しました。
桑名総領事もまた、「パンデミック災禍において、前会長ラファエル・ペッターセンが率いる若者たちが、オンラインによる文化まつりや、ドライブスルー形式の花まつりを開催したことは、文協だけにとどまらず日系社会全体に新しい視点と可能性を提示した。その功績は大きい。」とその活動を称賛しました。
そして、総領事館は新会長をはじめとする文協青年理事会に期待するとともに、できる限りの支援を約束すると、述べました。
石川レナト文協会長

石川レナト会長はまず、式典に参加できて光栄だと述べ、グラジエラ新会長による女性の「エンパワーメント」を祝福しました。
また、新しい理事会と聴衆の中に非日系人が多く存在することに触れ「彼らは日本の愛好家であり、彼らは日本の文化を大切に思ってくれている。これは大きな意味がある。」と語りました。
続けて、自分が文協の会長に就任して以来、文協の中枢となる理事会に積極的に青年を起用し責任ある仕事を思い切って任せたところ、その結果は想像以上にセンセーショナルだった、と話しました。
特に、文協がパンデミック災禍において、即座にデジタル化に対応できたことは、まさしく青年の存在があったからこそとし「既にベテランと呼ばれる年齢に達した私たちは、若いあなた方にリードされながらデジタル文化に対応した、実に多くの事を学んだ。」としみじみと語りました。
そして現在文協の理事会には40歳以下の理事が10名就任していることに触れ、今後の青年の活躍を期待すると鼓舞しました。
駐ブラジル日本国 林 禎二 特命全権大使

挨拶を締めくくったのは、駐ブラジル日本国林禎二大使でした。ビデオメッセージの中で林大使は、文協青年委員会の前委員会役員の労をねぎらうとともに、新役員らの就任を祝福、「パンデミック収束後には、より緊密なコネクションを持てることを期待している。」と述べました。
文協青年委員会 ラファエル・ペッターセン前会長へ感謝プレートを授与

文協国士舘公園 運営委員会 水本セルソ 委員長
来賓の挨拶の後、文協国士舘公園運営委員会の水本セルソ委員長は、ラファエル・ペッターセン前会長の素晴らしい活躍を称え、感謝プレートを授与しました。
「彼が会長だったこの2年間は非常に困難な年でした。不安定な環境の中で勇気ある意思決定と行動が必要な時、彼は青年委員会の会長として強力なリーダーシップを発揮し、すべてのメンバーを集めるなど、文協の活動に対し、常に大きな支援を提供してくれました。」と涙を浮かべました。
乾杯

上辻照子 文協理事
最後に乾杯の音頭を取ったのは上辻照子理事でした。
青年委員会の「お母さん」的立場である上辻理事は、青年委員会から乾杯の音頭を依頼された際、すべての約束をキャンセルして会場に駆け付けたと話し、始終家族的な雰囲気の中で行われた就任式となりました。
就任式の様子は以下の動画でご覧いただけます。