訃報:文協創設会員 瀬川正文氏(105歳)

去る2026年4月2日、瀬川正文氏が逝去されました。105歳でした。
葬儀および埋葬は、去る4月2日にモルンビーのゲッセマニ墓地(Cemitério Gethsêmani Morumbi)にて執り行われました。

瀬川氏は、ブラジル日本文化福祉協会の創立会員の一人であり、評議委員会および監事会の委員を務められました。

1955年、当時南米銀行の職員であった瀬川正文は、現在の文協の前身である「サンパウロ日本文化協会」の設立に尽力した「創設会員」の一人として名前が刻まれています。

2020年の文協創立65周年記念の際には、パンデミックによる制限下において、存命であった2名の創立会員、水野昌之氏(当時94歳)、そして瀬川正文氏(当時99歳)に対して敬意を表し、表彰を行いました。

「文協ニュースコロニアNo.144」の文協創立65周年特集号において、上記創設会員2名を特集した記事を以下抜粋します。

瀬川氏が、故郷長野県を後にし渡米したのは18歳の時でした。
1940年、ニューヨークで日本の銀行の支店に勤務していた時に、日本軍による真珠湾攻撃のうわさを耳にし、1941年に21歳でブラジルへ。
ブラジルではサンパウロ州バストス市のブラジル拓殖組合(ブラ拓)に就職、文協創設時の1955年には、同じブラ拓グループの南米銀行職員となっていました。
南米銀行が全盛期を迎えていた1970年代、瀬川氏は、管理職に就くための資質を持つ優秀な従業員である「ゴールデンボーイ」の1人として認識されていました。
サンパウロ市営市場内にある支店勤務を経て、マネージャーから南米投資銀行の取締役に昇格するなど、1980年代後半に引退するまで銀行員としての華麗なるキャリアを重ねました。

瀬川氏の息子であるサンパウロ大学建築都市計画学部(FAU)瀬川ウーゴ教授は、「父は92歳まで、車を運転していました。」と話しました。そして「文協が毎年開催している新年会に行くときも、自分で運転して行っていたんですよ。そして父は、知り合いがいなくなった時、ついに運転するのをやめました。」と話しました。
「根っからの数字好きで、99歳となった現在も、毎日、新聞の株価の動向をチェックすることに余念がありません。彼は自身を「保守的な投資家」と考えており、毎日欠かさず読んでいるESTADÃO新聞を通じて、そして時にはインターネットを駆使しサイトのVALOR ECONÔMICOを通して株価の値動きに対する情報をチェックしています。」と笑顔を見せました。

2015年文協創立60周年記念式典にて 瀬川正文・ユリエ夫妻

今この時に文協に必要なもの        

2020年6月10日 瀬川正文

1940年代、邦人社会は資産凍結、銀行口座封鎖、移動制限、集会禁止、邦語会話制限、家宅捜査、その他の自由活動を束縛され、発展を梗塞されて、苦労の多い困難な年代を経験して戦後の時代に向かいました。その頃の邦人社会には、発展のために日本人会の創立を希望する人が多かったと思います。
サンパウロ市は1954年聖市制400年を祝うことになりまして、コロニアはイビラプエラ公園内に日本館を建築して寄贈することを決定、日本政府とコロニアの一般から寄付を募りこれを完成することができました 。
皆さんが参加したこの機運を活かして、1955年当国社会に溶け込んで、当国と共に発展成長するように、その当時のリーダー宮坂国人様と山本喜誉司様、その他の代表の皆様がコロニアの代表機関として文協設立を企画されたと聞いております 。

当時私はサンパウロ市に住み、南米銀行に勤めておりました。
文協設立は、誠に時機にあった大変良い企画であると考え、創立会員募集に応じた次第です。
そして1993年には文協の正監査役、又1995年には正評議員を勤めました 。

現在、文協の会員数が少ないと聞いております 。
文協の活動を増大発展するためには、法人個人を問わず会員数の増加が必要ではないでしょうか 。
最近の時代の進歩は足早になっていますので、特に若い人の会員増加が望ましいでしょうが、それを期待するためには、若い人に興味のあるプログラムが必要ではないかと考えます。
そのための研究企画実現を期待いたします 。また文協を通じて、日伯文化の向上に寄与すると共に、ブラジルと日本の親善関係の更なる強化実現を期待いたします 。
また文協を通じて、日伯文化の向上に寄与すると共に、ブラジルと日本の親善関係の更なる強化実現を期待いたします 。              

2020年、文協創設会員瀬川正文氏に対し表彰状を手渡す石川レナト会長 

当時コロナ禍により、創立65周年記念式典の開催は見送られました。世界的に状況の改善が確認された後、会長室にて瀬川氏に表彰状を贈呈しました。当時、瀬川氏は99歳でしたが、元気に文協ビルへいらっしゃったことが、つい昨日のことのように思い返されます。



心よりご冥福をお祈りいたします

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