第44回山本喜誉司賞

山本喜誉司賞は、1965年に創設され50年間に渡り稀有な貢献を果たしてこられた農業者を表彰してきました。44回目となる今回も、2つ以上の団体からの推薦、また5つの推薦基準となる技術革新への貢献、独創性・創意への先駆的貢献、農業者が獲得した成果の波及への貢献、財政・経済的成功による農業分野での貢献、農業分野での地域社会へ貢献を満たした3名が表彰の対象として選考されました。

11月7日(金)19時より、第44回山本喜誉司賞授賞式を開催いたします。同賞は、ブラジル国内におきまして、農業に携わる方々にとっては大変名誉ある賞でもあります。以下、今回の授賞者になります。

島崎 清
Kiyoshi Shimasaki生年月日:1942年7月23日
出身地:サンパウロ州ミランドポリス市第3アリアンサ地区
家族構成:妻妙子、子息1男、1女
現住所:サンパウロ州ミランドポリス市第3アリアンサ地区

略歴
1960年代 父親より小さな農地を相続し、鶏卵生産に従事し土壌改良に鶏糞を利用した。
1980年代 果樹栽培を営み、最初はグアバから始め、その後アセロラ、スターフルーツ、柿、マンゴー、マンゴスチン、ランブータン、カシューナッツ、バナナ、ピタヤ(ドラゴンフルーツ)等を栽培した。

功績
ミランドポリス市第3アリアンサ地区に生まれ育った。日本人移住者で構成されるコミュニティーに所在する小さな農地を父親より相続した。1960年代、トウモロコシ、綿花の栽培がまだ地域の中心であった頃、穀類を鶏卵及び鶏肉生産のための鶏のエサとして利用を始め、土壌改良のために副産物である鶏糞を利用した。
80年代には、果樹栽培を新たな事業として取り組み、まずグアバの栽培からはじめた。しかし限られた農地面積のため、事業の成功は品質の向上と多様な果樹類の栽培が必須であることに気が付いた。 従って様々な果樹類の導入に努め、その中でも商品価値の高い果樹を導入し、地域の気候に適応するよう努力した。その結果として、第1、第2、第3アリアンサ地区を含む全地域にその効果が普及した。現在ではアビウ、アセロラ、甘スターフルーツ、グアバ、柿、マンゴー、ランブータン、マンゴスチン、カシューナッツ、ピタヤ(ドラゴンフルーツ)やその他の果樹が地域で栽培されている。特にスターフルーツに関する研究は、特筆に値する。サンパウロ州政府の研究所との共同研究では、甘く消費者に好まれるC1品種を開発した。接ぎ木よる苗木の生産により、消費者に好まれる品種を普及した。さらにトッカ・デ・インディオと呼ばれる剪定法により生産性を向上させ、摘果によって大きく商品価値の高い果実を生産した。当委員会は、島崎清氏に新たな事業、果樹栽培における新たな技術手法の導入及び多くの農家に調査結果を普及したことを称え、山本喜誉司賞を授与する。

藤原・シヂネイ・日出男

Sidney Fujivara生年月日:1968年10月7日
出身地:サンパウロ州カッポンボニート市
家族構成:妻ハルミ、子息1男、1女
現住所:カッポンボニート市

略歴
1992 ビソーザ大学農学部を卒業後、家族の営む事業に従事し馬鈴薯、フェイジョン豆、トウモロコシ、大豆、小麦を栽培する。
1998 馬鈴薯の品種であるアガタ種の栽培パイオニアの一人である。
2005 ブラジルにおいてトウモロコシ栽培の殺菌剤使用の第一人者として指導した。
2007 トウモロコシ栽培の殺菌剤散布機の農家と農機具工業との提携協力を行い発展に貢献した。
2008 青少年を対象に農薬の使用法、服装装備の指導に力を入れた。
2014 地域の青少年を対象にリサイクル教育プロジェクトを実施した。

功績

カッポンボニート市に生まれ育つ。1992年ヴィソーザ連邦大学卒業後、馬鈴薯、フェイジョン豆、トウモロコシ、大豆、小麦を栽培する実家の農業に従事する。1998年にはブラジルで最も栽培されているアガタ種馬鈴薯の栽培パイオニアの一人として栽培を始めた。当時他の試験場などもこの品種を推奨していたが、藤原氏は栽培を成功させた一人であった。彼の栽培したアガタ種は、細長く、果肉が黄色く皮が滑らかで生産性が良く消費者に大変好まれた。藤原氏は常に技術や品種の普及のため広く門戸を開き、圃場研修や農家への指導を実施して、アガタ種の栽培を地域に普及した。こうした藤原氏の活動も貢献し、アガタ種は多くの馬鈴薯生産者の信頼を得て、今日ブラジル馬鈴薯を代表する品種となった。

藤原氏はその後穀類栽培に転換したがトウモロコシや大豆栽培に関しても常にいち早く新たな品種や技術の試験栽培や導入に努めてきた。またそれまでトウモロコシの大規模な殺菌剤散布を誰も実施していなかったが、2007年に農機具会社とトウモロコシ用殺菌剤散布機を共同開発した。新しい技術とイノベーションを常に探求することにより、生産性の向上を達成しており、その成功を惜しみなく農家の人々に講演活動や圃場研修によって普及し農家の経営向上に貢献している。
また農業労働者の農薬障害や環境教育にも配慮しており、2008年には青少年を対象に農薬の正しい使用方法や農薬を使用する際の服装装備について指導した。2014年には青少年を対象としたリサイクル教育プロジェクトを実施した。このプロジェクトは全国固形廃棄物プログラムのパイロットプロジェクトとなる。
当委員会は、藤原・シヂネイ・日出男氏の馬鈴薯、穀類に対するイノベーション及び技術普及に対するパイオニア的な活動と青少年に対する環境教育活動を称え、山本喜誉司賞を授与する。

南 忠孝
Tadataka Minami生年月日:1943年11月19日
出身地:日本国和歌山県
家族構成:妻芳子、子息1男、1女
現住所:サンパウロ州モジダスクルーゼス市

略歴
1955 12歳でブラジルに移住、コーヒー農園の労働者として働いた。
1963 ビリチバミリン市に家族が土地を購入し、現在の工場が所在している。
1964 サンパウロ市にて木工所に助手として勤務した。
1970 初めての機械としてニンジン洗浄機をつくった。
1972 南農機具工業会社を設立。
1973 肥料散布機、堆肥散布機の生産開始。
1980 トラクターのアタッチメントとして畝立て機の生産を開始した。
1997 コーヒー栽培専用の肥料散布機を生産開始した。
2000 スーパーマーケット等の展示棚の生産を開始した。
2010 プレハブ住宅建設のための鉄骨資材の生産を始めた。

功績
12歳の時両親と4人の兄弟と1955年に移住し、バウルー市のコーヒー農園で働いた。日本では小学校を卒業しブラジルでは農場内の小学校を卒業した。1963年には家族がビリチバミリン市の農場を購入してレタスの栽培を営んだ。1964年にはサンパウロ市の木工所で助手として働いた。1970年にビリチバミリンの家族の農場において倉庫で木製のニンジン洗浄機を作成した。1972年には南農機具工業会社を設立した。洗浄機は成功を納め、2000台以上を販売しニンジン栽培生産性を著しく向上させた。1973年には肥料散布機と堆肥散布機を作成し、これもまた売り上げも大変好調で3000台以上を販売した。1997年には、コーヒー栽培専用の肥料散布機の作成を開始し、1800台以上を販売した。2000年にはスーパーマーケットの展示棚の作成を始め、2010年にはプレハブ住宅建設のための鉄骨資材の販売を始めた。
南氏の事業に対する意欲は、中小規模農家の利便性を図る機械を作成することで、生産性を向上させ、生産コストを抑制し、生活水準の向上に貢献することであった。また彼の工場が立地する場所は水源涵養林にあたっているため、環境保全にも十分配慮した事業を行っている。
42年間の企業家としての活動中常に社会問題及び青少年の教育にも配慮し、SENAIとの提携で職業訓練にも貢献した。ビリチバミリン文化体育協会の会員として積極的に協力し、4期8年間会長を務めた。青少年に対し野球の普及を奨励し、高齢者用のマレットゴルフ場を建設した。1994年より稲盛和夫氏の経営方針を研究する盛和塾に入会した。当委員会は農機具開発により小規模農家の生産性向上に貢献し、環境保全及び地域社会の発展のために多大なる貢献をしたことにより、南忠孝氏に山本喜誉司賞を授与する。

第44回山本喜誉司賞授賞式典
日 時:2014年11月7日(金)19時より
場 所:ブラジル日本文化福祉協会 2F 貴賓室
Rua São Joaquim, 381 – 2º andar – Liberdade – São Paulo-SP
参加費:80レアル(受付の締め切りは4日まで)
お問い合わせ:(11)3208-1755 文協事務局 レジーナまで
主催:ブラジル日本文化福祉協会-山本喜誉司賞選考委員会
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宮坂国人財団
Agroinvest Kayatani S.A
Ihara
Jacto
Minami
Promissor – Corretora de Seguro
Sakata
Takii
協力
ニッケイ新聞
サンパウロ新聞

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