興味深い点や参考になる点がたくさんあった三木氏による講演でしたが、とりわけ多くの出席者にとって考えさせられたのは、「過去の延長線上に未来はない」という話でした。現在歩いている道はいつまでも続くと思い込んでただ直進する人はいずれ道を踏み外し、谷の底に落ちてしまう。時間は常に流れ、未来は刻一刻と変化しているので、わたしたちは自分の歩む道をそれに応じて調整していく必要がある。それができない人は”落ちる”、つまり、新しい現実に対応する術もなく、時代の流れや状況の変化に付いていけず、それまで続いていた成功と繁栄を失うことになる。
しかしその後、時間の経過とともにブラジル日系社会は収縮しつつあり、それと同時に活気を失ってきているのが現状です。今まで日系社会が歩んできた道の延長線上に日系社会の先(未来)はないのかもしれません。今一度、日系社会は方向性を見直し、道筋を修正する必要がある時にさしかかっているのです。
その日系社会の活性化という点に関して、三木氏はたくさんの具体的な手段を掲げたので、以下に列挙します。
- 国家とは人であるので、国づくりをするためにはまず人をつくる(育てる)ことから始める
- 大きく考えて、小さく行動する(地球規模で考えて、地域レベルで行動)
- 人材能力を見極める方法 2-6-2の理論
- 改善と改革の組み合わせ(階段を上るように)
- PDCAのサイクルを継続する Plan→Do→Check→Action
- 未来像(ありたい姿・あるべき姿)を描き、自分を誉めながら自己成長を続ける
- 3C作戦 Challengeして、ChangeをChanceに!!
- 意識改革のための5S活動 整理、整頓、清掃、清潔、躾
- 人の幸福=知識×やる気×考え方
- 自分が嬉しい・満足して幸せという利己の態度ではなく、他人の喜ぶ姿・満足する姿を見て自分が最高に幸せという利他の態度を培う