第166回定期評議員会 「なんて素晴らしいことでしょう、会場は満員です!」この言葉は、第166回定期評議員会の準備に奔走する主催者の要望に応える中で、ある事務局メンバーが発した感嘆の一言でした。 2025年4月26日(土)の午前、会場となった文協貴賓室には、50名の評議員(うち8名は委任状による出席)をはじめ、前夜に行われた理事会に出席した地方理事、選挙管理委員会のメンバー、そして現役理事ら約40名が集い、総勢およそ100名で満席となりました。 今回の会合では、2024年度の活動報告および財務報告の承認に加え、団体の運営機関である評議員会会長、理事会会長、監査役会の選出が主要議題として行われました。 なかでも印象的だったのは、石川レナト会長の退任による一抹の寂しさが漂う中、後任として西尾ロベルト義弘氏が満場一致で新会長に選出されたことでした。 Foto 1: 満員となった会場 Foto 2: 2024年度の活動報告/左から頃末書記、評議員会の山下会長、そして理事会の石川会長 評議員会および理事会のメンバーたちは、定款に定められた「1期2年、3期で任期満了」という規定に従い今回退任する石川会長のこれまでの功績に敬意と感謝の意を表するとともに、西尾新会長による新体制を歓迎する思いから、今回の会合への出席を強く希望し、その結果、会場は満員となったと言えます。 そして今後数年間にわたり団体を率いる重責は、西尾ロベルト義弘氏(82歳、パラナ州アサイ出身、元弁護士)に託されました。西尾新会長は過去15年間を見ただけでも、途絶えることなく専任理事、常任理事、副会長という役職につき、文協の運営に携わってきました。 注目を浴びた 2024年度活動報告および会計報告 照屋ウーゴ専任理事は、パワーポイントでまとめて2024年度の各委員会の活動報告を行いました。「時間の都合上、かなり写真の枚数を削減しましたが、各委員会が非常に活発に活動しており、その一つ一つが素晴らしく、本当はもっと詳しくご報告したい気持ちでいっぱいです。」と語り、評議員らに、10ページにわたる資料も配布しました。 活動報告書が満場一致で承認された後、大塚ウィルソン会計専任理事が、前年度のデータを参照しながら2024年度の財務諸表を発表しました。 大塚会計専任理事は、日々の丁寧な記録確認に基づいた透明性の高い会計運営を実践しており、団体の財務状況について的確なコメントを交えながら、数値と結果をわかりやすく提示しました。 会計期間中のキャッシュフロー計算書によると、営業活動によるキャッシュフローは645,300.00レアルの黒字となり、非営業活動ではプロジェクト資金として1,862,000.00レアルを調達しました。このうち、464,000.00レアルは偶発事象や改善のための準備金として留保されました。その結果、2024年12月末時点でのキャッシュフローは、顕著な黒字となる1,225,700.00レアルに達したと報告され、満場一致で承認されました。 「財政は黒字で健全に管理されていますが、計画と支出においては常に質素倹約の姿勢が求められます。」と述べ、大塚会計専任理事は石川レナト前会長の言葉「経費というものは爪のようなもので、伸び続けるため、常に切りそろえる必要があるのです。」を引用して、締めくくりました。 評議員会会長、理事会会長、監査役会選挙 続いて、議題は評議員会会長、理事会会長、監査役会選挙に移りました。 提出期限までに届け出のあったシャッパは西尾氏のもののみであったため、信任投票が行われました。選挙管理委員会の木多委員長の進行のもと、正式に満場一致の拍手をもって承認されました。 西尾 ロベルト 義弘 新会長 挨拶 「文協が各委員会を通じて展開している活動を、私は大いに誇りに思っています。」西尾新会長は、会長職を引き受けた理由についてそう語り、時々ユーモアを交えながら新たな挑戦への意欲を示しました。 そのうえで、自身が「大いに誇りに思っている」とするその他の取り組みについても言及しました――移民の歴史を保存する日本移民史料館の活動、若き栗田氏のリーダーシップのもとで大きく発展を遂げている日本館、そして現在100人以上を対象に行われている高齢者支援の取り組みなどです。 また、今回のシャッパ(連立名簿)の構成の呼び掛けに対し、皆が快く応じてくれたと、喜びと感謝の気持ちを隠しませんでした。 そして、「石川会長が推進してこられた文協の発展の歩みを、私たちも全力で継続してまいります。」と強調し、「今回のシャッパ(連立名簿)に『Transição ― 移行』という名称を付けたのは、歴史的な活動を展開された石川前会長が最も重視されていた『若者を主役に』という理念を受け継ぎ、この文協を若い世代に引き継ぐための期間と位置づけたからです。」と、語りました。新役員を代表して「全力で、そして透明性をもって取り組んでまいります。」と力強く表明。最後に「評議員の皆様、ボランティアの皆様、そして職員の皆様からのご指導を、何卒よろしくお願い申し上げます。」と締めくくりました。 Foto 3: 西尾ロベルト義弘新会長 -「文協の活動には大きな誇りを感じています。」Foto 4: 山下譲二評議員会長 – 「再び役職に選出していただいたことへの信頼に感謝いたします。」 評議員会 会長に再任された 山下 譲二 氏 挨拶 評議員会会長に再任された山下譲二氏は、新たな任期への信任に対して感謝の意を表すとともに、石川前会長に対して次のように謝意を述べました。 「6年間のご在任中、文協のために全力と知恵、そして卓越した手腕を惜しみなく注いでくださり、見事な成果を上げてくださいました。」 さらに、「会長に就任されて以来、『人とのつながり』と『若者の参加を促す』といった明確な目標を掲げ、それを着実に構築・計画・実行されました。」と続けました。 そして最後に、「この取り組みのプロセスを引き継ぎ、さらに発展させるために、石川前会長が築いてこられた礎の上に、優秀な西尾氏が新たに就任されます。」と力強く締めくくりました。 期間満了(2年3期)につき退任する石川レナト会長 挨拶 石川レナト前会長:「本日、私たちは文協がブラジル日系社会における中核的存在として確固たる地位を築いたことを実感しています。」 まず冒頭で、自分の任期を無事に終えることができたのは、健康を授けてくださった神様、家族、地方理事、各委員会のメンバー、在伯日本大使館や総領事館、JICAをはじめとする日本政府関係者の皆さまのおかげであると述べ、心からの感謝の意を表しました。 そして、文協の会長として過ごした6年間を振り返り、「長い年月ではありましたが、振り返ってみるとあっという間だったように思います。」としみじみと語りました。